mat=35B77N+DW44XE+46FK+656YP" alt="">

ゆめまぼろし

f:id:yoidoreojisann:20190413092836j:plain

「ゆめまぼろし

 (4曲屏風 2014年制作)

 第41回遥玄展  入選

 

今回展示作品の中で最も大きい作品である。四つ折れの屏風ということで、全紙(約140cmx70cm)4枚を張り合わせてある。狭い部屋の中1枚の全紙を扱うにも大変なのに、はぎ合わせの部分をスムーズ(形がいびつにならないように、墨の色が同じになるようになど)にするのは並大抵ではなかった。

「ゆめまぼろし」は謡曲幸若舞(敦盛)」からとった。謡曲を知っているわけではないが、織田信長が好んで演じられたと伝えられていて、本能寺の変において最期を遂げる時「幸若舞」を演じられるのが印象的でこのことだけを覚えている。「幸若舞」の一説に「人間五十年、化天のうちを比ぶれば、夢幻の如くなり一度生を享け、滅せぬもののあるべきかこれを菩提の種と思ひ定めざらんは、口惜しかりき次第ぞ」とあり、人間の一生を「ゆめまぼろし(夢幻)」と感じた。

人の一生を比喩として蓮に置き換え、若々しい蓮の姿から枯れるまでを左側から右のほうへと表現した。若い時は水をもはじく肌の艶があり、やがて水を得て大輪の花を咲かせ華々しく活躍をし、それも時が来ればやがて枯れてゆく。

東京都美術館に飾られた折、まだ小学生低学年と思えるかわいい女の子が「蓮から水がこぼれるよ」と若いお母さんに言いながら、あたかも零れ落ちる水を手で受けるしぐさをしていたのを懐かしく思い出します。

 f:id:yoidoreojisann:20190426130158j:plain

 

 

安達喜一  喜寿記念 水墨画・墨彩画展
   令和元年5月7日(火)~5月12日(日) 9:00~18:00
     (初日は13:00から、 最終日は15:00まで)
   四街道市民ギャラリー
合わせて四街道市民ギャラリー近くの 「icoba四街道一丁目」にて小品展開催。
ご覧いただければ幸いです。