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線は僕を描く

映画を見ることがこんなにも困難なことになっているとは予想もしなかった。

水墨画を扱っている映画「線は僕を描く」、確か春ごろに東雲先生のインスタグラムで知ったと思う。ぜひ見なければならないと常々考えていた。しかし、他の映画の宣伝は見かけるのに、この映画の宣伝は見たことがない。

それでも、公開されているという話を聞き、映画館を探した。

上映映画館のなんと少ないことか。もちろん近場で見ることはかなわない。東京まで行かなければならない。上映時間を調べてさらに驚いた。早朝、午前中だけ、または夜の上映しかない。これでは見るのをあきらめるしかない。

 

昨日ようやく鑑賞できた。思い立ち探しはじめてから約2週間。

映画に出てくる作品は、さすがに一流のものである。一瞬しか見れないのはもったいないほどである。もっと見せてくれたらと思うのは無理な話か。そもそも水墨画鑑賞の映画ではないのだから。ただし映画としての出来と言えば、ストーリー展開など物足りなさが残る。その辺が、評価が4未満の理由か。

 

「自分の線を見つけなさい」。水墨画は他の絵画と少しちがうところがある。ほとんどの絵画が塗るという行為で描く。それに対して水墨画は線で描くことを主体とする。日本画では特殊な技法のひとつとして、ケガキが行われるが線が主体になるのはこれぐらいである。

自分の線を見つける手段として映画では、自分と向き合う、命を描く、など凡人ではなかなかむつかしいことを要求している。しかし、湖峰が霜介に湖山の孫の絵について語る場面がある。「あの薔薇の絵は写真のように正確に描いている。自分にもあのようには描けない。然し正確さとは違う何かを描くのが水墨画ではないかなー。」セリフは正確ではないがこのようなニュアンスであったと思う。

水墨画は線で描くといった。だから線の質が重要になってくる。線そのものが生きていなければはならない。生きた線を見つけること。自分の表現を見つけること、イコール生きた線を見つけること。やはり大変なことである。

 

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安達嵐松