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カルチャーセンターで教えないのは何故(4)

水墨画の構図には独特のものがある。

その最大のものは余白であろう。

余白という言葉に騙される。水墨画でいう余白とは、描き残した部分を言うのではない。描き残すのではなく、あえて描かないのである。描きすぎないという考え方は、描いている場面もこの考えが必要である。即ち省略である。特に景色を描くときに見えている物すべてを描きたくなるようである。自分が感動したこと、伝えたいことに絞って他は省略する必要がある。これがなかなかできない。

余白とは少し違うが、白を表現するのに白色を使わず、用紙の白さをそのまま残す。例えば滝の白さ、波がしら、雪など数えればきりがない。描き残すということを考えれば余白と共通する。いずれにしても描かれていないところは、見る者に想像させている。絵だけで完成ではなく、見る者の感性も加わって完成する。

水墨画では、見える通り正確に描くことは重要ではない。具象と抽象の間ぐらいであろうか。画面構成上具象に近い描き方と抽象に近い描き方をうまく組み合わせていくにも何通りもある。

誰にでも描きたいモチーフを持っている。それをどのように描くのかは何千通りもあるであろう。思いはあっても、技量がなければ当然描けないのは言うまでもない。しかし、技量は十分でも構図の取り方が不得手な人も多い。この時、一方的に一般的な考え方を説明してもそんなことは分かっているということで、その先を知りたいのだという思いに駆られる。私は、描きたいモチーフについてなぜ描きたいのか、何か参考のものがあるのか、などしっかり聞いて、一緒に考えながらアドバイスをしていく。実際に描いて見せていく。私も経験があるが、微妙な違いを説明するのは骨の折れることではある。描いて見せても、相手の望通りとは限らない。さらによく話し合いながら、溝を埋めていきながら、一緒に考えながら、ぴったりする描き方をアドバイスしていく。

 

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