自治会館での作品展
町内会の老齢化が進み、お互いが疎遠なるのを防ぎ元気で暮らせるようにと、
同じ地域に住む者同士の親睦を図ることを第一に考え、作品展を初めて6回目である。
今年は新型コロナウイルスもあり、開催すべきかどうか悩ましい限りではあった。然し細心の注意を払いながら開催にこぎ着けたことは幸いであったというべきであろう。例年に比べて作品数は減少したが、作品の質において味わい深いものが多い。
私も町内会のボランティアの一員として6年前の発足当時から関わっているが、今年は例年とは違った困難さがあった。然し種々の理由から出品を見送られる方もいたが、予想をいい方に裏切るほどの出展をしていただいた。同じく多くの方に見ていただけた。
この半切掛け軸2点は私の作品である。
元々7月に東京での展覧会に出展するためのものとして描いた作品である。
正直言って、町内会の展示会では場違いの感もあった。
右側の作品「大空へ」について、鳥の下のほうは何を描いているのかという質問が多々あった。私は逆質問「何を描いていると思われますか」と問いかけた。「鷲が飛んでいる下だから、森ではないですか。森だとすると道に迷いそうな雰囲気ですね。」またあるひとは「海でしょう。荒れ狂った大海原ではないですか。」など。
いずれも正解です。もっと言えば、質問してくださる人はよく見て考えてくださっているといえる。
今という時代をどう表すか。出口の見えない暗い森の中をさまよっている様であり、大波にもまれてにっちもさっちもいかない状態の様でもある。ほのかな明かりのほうへと表現したつもりである。
きれいな絵、美しい絵だけでは、美しいね、上手だねで終わってしまう。そこに何か、気になるもの、心に引っかかるものを描けるように続けたい。