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公募展における上位入賞

ある公募展でのこと。

審査員及び招待作家のトークイベントがあった。

優秀な作品集まり、いずれも甲乙つけがたいとお決まりのあいさつにうんざりしていた。そこで思い切って質問をした。

「まだまだ勉学の身で、ここにいる皆さんも知りたいと思うので教えていただきたい。上位入賞と上位入賞に至らなかった作品の違いは何なのか?」

答えはこうであった。

水墨画に必要な要素は3っつある。構図、墨色、余白の3要素である。その後それぞれに解説があった。

審査の基準はこんなものかとあきれた。

構図、墨色、余白が大事であることは論を待たない。然しおかしい。そもそも構図、墨色、余白がおかしい作品を入選させているのか?この公募展では、一般公募優秀作品として展示されていたはず。構図、墨色、余白は必要条件であって、上位入賞の十分条件ではない。

審査委員長の意見はここに記すのもはばかられるので無視するが。

私は、私見ではあるが 感動あるいは感銘 であると思う。何に対して感動、感銘を受けるかは人それぞれであるといっていい。しかしうまい絵であっても、感動、感銘を受けない絵はそこまでである。

例えとして風景を取り上げてみる。

公募展に出展する者であれば、強く心惹かれる光景があり、その光景を描きたいと思ったはず。強く心惹かれる光景は人さまざまであり、あるいは心象風景かもしれない。自分が強く心惹かれた光景を見る者にいかに伝えるかを苦心したはずである。そこに独特の構図を考えたり、墨色(透明感を出すなど)を工夫する、あるいは白に限らない余白によって主題をより際立たせるなど作者は心血注いでいる。

作者の意図が十分に表現されているか。審査員はどのように見て審査したのか。どこが優れていると感じたのか。などなど熱い議論が欲しい。審査員先生方の審査にかける熱い思いを聞けたとき、次頑張ろうかなと思う。

質問するのはむつかしい。上位入賞作品に異議をつけているように受け取られているかのようで、さらなる質問はやめた。

安達嵐松