祈大漁
「祈大漁」
(f10号 2017年制作)
昨夜は激しい雨と雷であった。特に雷は割と近場に落ちたのではないかと思わせるほど稲妻の光と雷鳴は激しかった。
それに反して今日は穏やかな水墨画を紹介します。朝日がまさに昇ろうとした瞬間、海から立ち上る海霧のせいでもあり海と空が混然一体となっている様を描いた。静寂の中に激しい動きのある矛盾した要素を盛り込んだ。
表現としては、海と空を覆う柔らかさに対してかたい岩の表現、動く船に対して動かぬ釣り人など工夫した。この画の場合構図は割とすんなり決めることができたが、最後まで難航したのがさざ波が朝日にきらきら光る様子をどのようにすれば表せるのかでした。紙の白さを生かすために白抜き材を使うわけだが、特殊な筆を使うことによって細かい表現ができ意図する表現ができた。