裏打ちもしていない水墨画をお見せして見づらいのをお許しください。
教授師範試験の際に提出した13枚のうちの3枚である。サイズはすべて半切1/2。
余白について考察していたのでし少し考えたい。風景を描くとき目に見える情景を通して目に見えない空気、大気の流れなど、見えてもそのままでは描けない霧、水蒸気、煙などこれ以外にもさまざまあるが、描く努力をするときに一つの方法として余白を利用している。少なくとも私はそのようにしている。
私は、おぼろなもの、境界のはっきりしないもの、に心惹かれる。日本の伝統の中にはいわゆる「間」というものがある。世知辛い世の中になり、建築空間にも現代ではほとんど見ることのできなくなってしまったが、昔は公の空間と私の空間の間に半私といえる空間があった。
言葉とは裏腹に余白を積極的に主題として描いている。いわゆる描く余白といえるかもしれない。