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余白について

前回余白について少し述べたが、もう少し取り上げたい。

余白が大事だ、重要だ、と言っても初めから何かがあるわけではない。しかも余白という言葉通りの何もないことを意味しているのではない。

水墨画を描くときお手本があれば実に見事に描くのに、手本がないとなかなか筆が進まない人がいる。特に油絵では隅々まで同じ比重で描くことが多いのに対して、水墨画のむつかしいところは描くべきところと省略すべきところを見極めることであろうと思われる。省略という言葉に騙されてはならない。省略といえば何もなくすように思いがちだが、描く場合特に水墨画では写真のボケに似たようなものを想像すればわかりやすいと思う。そのボケも段階があり、例えば単にぼやけた程度から、形が判別できない程度まで無限の段階があると考える。その無限の行きつくところが余白と呼ばれるものであると考える。したがって余白もまた白の言葉に騙されてはならない。余白とは何も描かれていないことだけではなく、描かれていたとしても余白と考えるべき時がある。勿論形が明白ではないが。