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水墨画歴について

個展などを見てくださるお客様からよく受ける質問に「水墨画を何年やっておられるのですか」です。当初は、「それほど長くはないですよ」など適当に答えていた。会場には作者のプロフィールも張り出してあるのでそれを見れば明らかなのもその理由である。しかし幾人かから同じ質問をされていると微妙な変化が生まれてきた。今は百年水墨画を描いていると答えることが多い。

この質問をするのは女性が多い(男性にいないわけではないが)。少し話を伺うと既に水墨画歴の長い方がほとんどである。なぜ期間を気にするのか、そこに微妙な感情が含まれているように思われる。

以前某大学のエクステンションセンターでの経験ですが、先生からプリントを渡されそれを見て描くという方法でした。私は新人でしたが、自分なりにプリントを解釈し描いたところ十数年通っているベテランのご婦人方からプリントと違うと酷評された。しかし、彼女らは描く途中で「先生できません」と言って先生に筆を入れてもらうことを常としていた。それを自分の作品として他人に自慢していた。いろんな人に話を聞く機会がありお話を聞くと、同じ趣味で集まり、お茶を楽しみにしている女性の多いのに驚かされた。私といえば描きなおした絵はもちろんそれ以外も含めて十枚以上もの練習したものを持参し次回には必ず評価及びサジェスチョンをお願いした。時には実演をもお願いしたが、かなわなかった。

話は元に戻るが、年数を重ねるだけでは無意味で、いかに充実した練習を繰り返すかが結果に表れてくるものと思われる。幸い現在の師は私にとって理想である。

私が少人数制にこだわり栗庵水墨画教室を開いたのもここにある。

四街道にも本気で水墨画をものにしたいと思っている人が必ずいると信じている。

趣味に終わらせず自分の仕事に生かしたいと思っている人がいる。

私はそういう人の力になりたい。

 

                安達喜一
               メール:y-adachi@aria.ocn.ne.jp