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四街道から喜一の水墨画、墨彩画で描く 風景画 花鳥画

 「この画のどこがすばらしいのですか?」

今回の展覧会を見に来たくれた知人から発せられた一言は今年の最もきつい言葉であった。他人の入賞作品について同様の質問をされた時には躊躇なく私の意見を述べるが、まさか自分の作品について聞かれるとは想像だにしなかった。というか、感想なのか、質問なのか、いずれにしても意図を図りかねた。本人曰く、画については全くわからないと言ってはいたが。

会場にいるとよく質問を受ける。それは水墨画を描く者でなくても、油絵なり水彩画なり何らかの画にかかわっている人からの質問が多い。そこには口に出さなくとも何か共通したものを感じるので自ずと相手に理解できるように答えている。よく考えてみると、表現の仕方について、言い換えればそこに使われている技術、技法などを問い答えていることが多い。

一方、当初の疑問を投げかけた人はこのような答えを期待しているわけではないだろう。この画にはこの疑問を投げかけた人には何ら感情、共感などを呼ばなかったことになる。会場内で誰の画に興味を示すかを観察しながら一緒に見て回った。もし誰かの画に興味を示したなら、それを手掛かりにして当初の疑問に答えるヒントが見つかったかもしれない。しかし彼女の興味を引く画は見つからなかった。

興味を持つこと、心を揺さぶられること、感情移入できること、などなど人それぞれ。例えば私は、苦手なものがたくさんあるが、画と近い範疇として考えるならアニメは全く私の興味外である。興味外のことについては、いくら熱弁をふるって説明してもらっても理解できない。ただし、理解できないからすべて嫌いかというとそうでもないことがあるから厄介である。

日本人だから日本画水墨画を好むというDNAを持っているものと思い込んでいる自分に気ずき恥ずかしくなった。思い当たる節があり、これからはもう少し注意深くしていきたいと思います。